長距離移動にはもはや欠かせなくなった新幹線。
飛行機との価格競争もヒートアップしていますが、飛行機では空港までの移動や待ち時間もあるため、距離によっては飛行機よりも新幹線のほうが、トータルでの時間は節約できる、ということも多いですよね。
その新幹線、最も多く利用されているのが、「のぞみ」ではないでしょうか。最近は本数も多くなり、とても便利になりましたよね。
その陰に隠れて、存在は薄くなってしまっている「こだま」。
実は最近お仕事でこの「こだま」に乗ることが多くなってきました。個人的に多く利用しているのは広島~新尾道間です。尾道に行くことが多くなってきたのですが、新尾道は「のぞみ」がとまらないので、新幹線で行くとしたら必然的に「こだま」利用になります。しかも広島~尾道間は在来線で行こうと思うとちょっと遠い・・・なんだかんだで1時間半~2時間くらいはかかっちゃいます。
そこで利用し始めた「こだま」。使い始めると、今まで知らなかった結構いい点も見えてきたんです。
「のぞみ」の方がより注目を集める一方、この「こだま」も利用の仕方次第では、快適で、しかもお得な旅を提供してくれるのをご存知ですか?
「こだま」が威力を発揮してくれるのは、特に次の2点です。
・近距離での移動
・お得になるプラン
実はお得で快適な「こだま」。
その「こだま」についての利点と、気を付けたい点をまとめてみました。
目次
「こだま」の利点
1.近距離での移動に便利!
「こだま」は各駅停車です。そのため、いわゆる特急である「のぞみ」や快速に値する「ひかり」に比べて時間がかかります。
しかし、逆に近距離間での移動であれば便利なのです。区間によっては、「のぞみ」や「ひかり」とあまり変わらないところもあったりします。
例えば、名古屋~新大阪間は
「のぞみ」: 約50分~55分
「こだま」: 約1時間10分~15分
とあまり変わりません。
ただ、距離が変わると途中で通過待ちなどが入るので、事前にご利用の区間でどのくらいの差があるのか、比べてみてくださいね。
2.安いプランが多くそろえてある
新幹線の路線は東海道線・山陽本線などと別れていますが、それぞれに「こだま」利用の場合に限定したお得なプランが用意されています。
例えば、先ほどの名古屋~新大阪間だと「こだま」で利用できるプランがあり、これを利用すると現時点では以下の料金になります。
・指定席、片道¥4,300(¥2,050の節約)
・一人からOK
・1ドリンク引換券つき
ただ、以下の点に注意です。(その他の注意点についてはご確認ください)
・切符ではないため、取扱店にての販売
・指定された指定席のみ、他の列車の自由席も利用不可
・指定された列車・区間のみ
他にも、プランによっては2人以上利用の制限がある場合などもあるので、詳しくは最新情報をチェックしてみてくださいね!
3.自由席の比率が高い
「こだま」は「のぞみ」に比べて、自由席の比率が高いのも魅力です。
例えば、「のぞみ」だと一般的に1~3号車が自由席ですが、「こだま」だと1~3号車に加えて7・8号車も自由席だったります。全車両の半分以上が自由席車両ということが多いです。
指定席をとらずとも、自由席で必ず座って移動できる可能性が非常に高いのです。
4.「のぞみ」や「ひかり」に比べて空いている!
利用客の多い「のぞみ」や「ひかり」に比べて、「こだま」はいつもだいたい空いています。
自由席であっても他の新幹線と比べると、座れる率がとても高いです。また、空いているので隣に他のお客さんが座るということも少なくなります。
ですから、時間に余裕のある移動や、小さな子供がいて気兼ねなくゆったり移動したい家族旅行などには、おススメです。
5.座り心地が良い
これは私の個人的な感想ですが、他の新幹線に比べて「こだま」のシートは余裕があり、座り心地もよく感じます。
また、走行中もスピードが他に比べて遅いせいか、非常に安定感があり、揺れも少ないです。
後述のように通過時間が入る場合もあり、とまっている時間もあるので、ゆっくりとパソコンを広げて作業をするには、非常に安定した状況を提供してくれるといえます。
「こだま」で気を付ける点
以上のようなメリットを持つ「こだま」ですが、他の新幹線とはちょっと違い注意が必要な点もあります。
特に、初めて「こだま」に乗ろうと思っている方などが、頭に置いておいたほうが良い点を以下に挙げます。
1.本数が少ない
「のぞみ」はその需要の伸びから20~30分に1本あるのに対して、「こだま」の頻度は1時間に1本だったりします。
乗り遅れた場合には、悲惨なことになるので、要注意!です。時間に余裕をもって駅へ向かってくださいね。
2.所要時間に注意!
新幹線はどれも同じ線路を使っているため、どこかで遅い「こだま」を早い「のぞみ」や「ひかり」が追い越さなければならない状況が発生します。
それが「こだま」に乗るとよく遭遇する通過待ちです。
早い時には5分くらいの時もありますが、遅い時には15分以上1つの駅で停車して待つ時間が発生します。
「のぞみ」に乗り慣れていると、違和感を感じるかもしれませんが、仕事や読書など何かの作業に没頭しているとあまり気になりません。
またこの間、ホームに降りることも可能なので、売店に行ってジュースやお土産を買う、などということもできます。
3.喫煙車両がない
「こだま」は全席禁煙車両であることが多いです。たまに、喫煙車両がある列車もありますが、基本的に全席禁煙ですので、煙草を吸うには喫煙ルームまで行かなければなりません。
また列車によってはごくたまに喫煙ルームを設備していないものもあります。
この場合は、通過待ちの時間を狙って駅の喫煙場所までダッシュすることになります。時間内に吸って列車まで帰ってきましょう。
4.車内サービスがない
「こだま」には基本「のぞみ」にあるような係員がカートで飲み物や食べ物を運んできてくれる車内サービスがありません。
ですので、お弁当や飲み物が必要な場合は、事前に買ってから乗車するようにしましょう。
もしも途中でなにか飲食したくなった場合、これも通過待ち時間の間にホームのキオスクにダッシュで対応できます。乗り遅れないように、出発時間までには車内に戻ってきましょう!
まとめ
なにかと「のぞみ」が重宝されやすい新幹線ですが、利用する距離と目的によっては「こだま」もまだまだ使えるオプションであることがお分かりいただけたでしょうか。
「こだま」のメリットはなんといっても
・格安プランを利用できる
・満席になる心配がなく、ゆったりと移動できる
この2点にあると思います。ですから、時間に余裕のある中短距離の出張や、周囲を気にしないで移動できる近場への家族旅行などに、ぜひ賢く利用してみてください!